雪国科学の物語 その3
火を扱う生活
社長の町屋が雪国科学を創業する以前のことです。ある時、キャンプに行って気が付いたことがありました。
「大人も子供も火が付けられない。これは何か、おかしい」と疑問を持ったのです。
せめて自分の子どもには火の扱いをちゃんと教えようと決心しました。「火を扱う生活をする」とは家の中に薪ストーブを入れることだ思い、理想の家を建てることが夢になりました。
そして「企業戦士を続けていては夢が実現しない」という想いがつのり、ついに我が子を教育するために脱サラを決意。火を扱う生活を実践できる薪ストーブがあるログハウス造りに取り組みました。
薪ストーブで教育
町屋は「薪ストーブは子どもを教育するために最適な教材」と話します。もちろん暖房であり調理器具であるとも。薪ストーブを通してコミュニケーションをとることで心身の健康管理を確認するための道具でもあるのです。
薪ストーブを活用するためにログビルダーになった町屋は、火を扱いながら4人の子どもたちに、小学生時代から火の焚き方や扱い方を教えたのでした。
そして、以前から町屋は「何だか日本の家族がおかしい」と強く感じていました。いじめ、不登校、引きこもりのこどもの増加が社会的な関心事となり始める前からです。
ログハウスを完成した町屋は、そのような問題意識から自宅に多くの子どもを招き世話するようになりました。
しかし、しばらくして「元気を回復した子どもが家に帰るとまた悪化する」ことに気が付きます。町屋は、サラリーマン時代に出社拒否や退職時に母親が辞表を持ってくる新人などを目の当たりにしていました。その頃、育児ノイローゼの母親や子どもへの虐待などの問題も注目され始めていました。
「世の中みんなどこかおかしい」と感じていた町屋は、不登校の子どもを面倒見るためには家族ぐるみで面倒見ないとだめなんだと考えました。それが、やがて家族単位の「自然倶楽部」の始まりとなったのです。
倶楽部の活動
倶楽部では、山歩きや山小屋作り、キャンプをしたり雪の中の運動会など、自然に親しむ活動を行いました。テーマは「いかにお金を使わないで遊ぶか」。(笑)
ピーク時は35家族、約150名の規模になりました。