暖房・融雪システムの開発、販売、施工、薪ストーブの販売施工、赤外線反射断熱材の開発、販売

HOME > 雪国科学の物語2

雪国科学の物語 その2

薪ストーブを使う生活をするために脱サラ⋯

薪ストーブ : 雪国科学  サラリーマンを辞めて、薪ストーブを使うための家造りを始めた「ちょっと変わり者」が、もしかしたら昨今の薪ストーブのブームを巻き起こした犯人かも知れません。
 25年程前に、勤めていた会社を辞めて、薪ストーブを使うための家造りを始めました。子供には薪割りをする姿で唯一「おやじの力」を見せ付け、「火を焚いて暖を取る」生活を伝え、火のつけ方で「おやじの経験の威厳」を強調し、得意になっていました。
 家族の中で大人がすべきこと、つまり子育てを「言葉」でなく、「炎の温かさ」と、生活そのもので教えようとしたことが、事の始まりでした。

 25年程前のその頃は、「いまどき薪ストーブなんて⋯」「煙で大変だぞ」「アホか⋯」「時代錯誤だ⋯」などと嘲られていました。
 周囲の呆れ顔と半信半疑にもめげず、ひたすら薪割りをし、子供に薪運びの手伝いをさせ、「この日に遊びに行ったら小遣いは半減⋯」と脅しながら家族愛を育みました。「キリギリスに笑われたアリ」のごとく手間ひまかけて、効率の悪い生活が始まったのです。

 いかにも「アホ」なこの「変わり者生活」に、次第に人々が引き込まれ始めました。
 たった一台のさして大きくもない薪ストーブで、一軒の家をたっぷりと暖房してしまい、一度入れた薪が何時間でもトロトロ燃え続け、夜に入れた太い薪は朝まで火が残り、灰取りは月に一回で済み、煙はほとんど出ない、など驚くことばかりだったからです。
 ストーブの上での「煮物」の味も格別で、焼き芋なんかもすぐにできる優れモノでした。

 この家に訪れる人々も、ますます炎に魅せられることとなり、「自分達も欲しい⋯」ということになったのも当然の事かもしれません。

 「変わり者」は、まさかこの「子育て用教育道具」としての薪ストーブが、自分以外の人に受け入れられるとは思ってもいなかったのですが、次第に増える「紹介して欲しい⋯」という声に応じているうちに、いつの間にか「代理店」となり、しまいに新潟県や東北地方までの「正規代理店」になってしまいました。

 しかし「変わり者」は、「世の中そのものが変わり者になってきたんだろう⋯」と思っています。

 「薪割りにこそおやじの威厳の拠り所」として、今日も晩酌のつまみを夢見て働いています。