薪ストーブを使う生活をするために脱サラ…

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家はログハウス。
20年前に夫が一念発起して人生の再スタートを懸けて建てた。

 その頃、妻の私は子育てと親の病で家造りなど考える余裕がなく、夫の勢いに任せ、半信半疑のうちにログハウスに住む運びになっていた。夫婦の片方にとっては、脱サラをきっかけに家造りがスタートし、能天気なもう片方はすっかりお任せで説得され、木の香りに魅せられた私は、4人の子育てに広く、汚れも気にならなくていいと単純に大喜び。
 その頃のわたしにとって家はどんな家でも構わなかった。たまたま山好きの二人が好むログハウスが目の前に差し出されただけだった。住環境の威力など想像もしなかった。

 ところが住み始めると変わった家なのか、目立つ目立つ…。どれ位、未知の人からの訪問を受けてきたか。ログハウスのイメージで住人の人格も決め付け、親愛のこもった眼差しの向こうには、アメリカの開拓時代、「大草原の小さな家」の連想が見えていた。
 お父さんは頼もしく何でも来いの包容力も持ち主、お母さんは料理上手でやさしく明るい、子供たちはいきいきと元気のかたまり。「理想の家族」。
 そんな周囲の思い込みに気づかされては、必死に打ち消すごく普通の未熟な家族でした。
 ところが20年住んでみて驚きました。無意識のうちに

 家に育てられたのか?変えられたのか?

 インガルス一家の理想像が当たり前に目の前に鎮座しているのです。強く愛情深い父親、優しく支える母親、仲良く助け合う姉妹たち。
 何があろうと乗り越える道を探し、諦めず、回復を信じてはまた大草原にでて風に立ち向かっていく。いつの間にかそんな家族像を目指していることに気づかされました。
 「個の時代となった今、家族はもろい。時代との戦いなくして夫婦、家族は存続できない。日々の中で分断され、揺さぶられ、試される今の家族がこれまでのように夫婦だから、親子だからで家族が保たれる時代ではなくなった。覚悟と創意工夫を不可欠にする日常であり、その自覚なくしては軸となる夫婦関係が破滅してしまう。持続するためには双方、かなりの努力がなければならない」とある本に書いてあった。そしてこの文章が身に染みる。

 我が家も思春期の娘たち、多感な息子、介護を必要とする老親、激務で疲れ果てている夫、てんてこ舞いで時々激しいストライキを起こす私。あらゆる破滅因子を抱えている。
 それでも夫は今日も会社で遅くまで働き、私は独楽鼠のようにあちこち飛び回っては息を切らしている。何があろうと親業は辞めるわけにいかない。
 子供らも必死だ。娘たちは思いっきり反発しながら友情を築き、息子は、日々心痛めつつもけなげに笑いを振りまいている。 時代の強風に負けぬよう、家族の根っこにせっせと栄養をふりそそぎ、絆をしっかり固めて今日もがんばらなっくちゃなぁ。

 皆様の「家族」はいかがですか?お元気ですか??

薪ストーブ生活のためにログハウスを建てる頑固親父。